【2026年税制改正】法人の2割特例は終了|2026年9月までに会社設立すべきか税理士が解説
2026年税制改正大綱により、インボイス制度に関する今後の改正方針が公表されました。
特に影響が大きいのが、2割特例の取扱いと、免税事業者からの仕入税額控除の経過措置です。
本記事では、2026年税制改正大綱のうちインボイス制度に関するポイントを整理したうえで、
- すでに2割特例を適用している法人の対応策
- これから会社設立を検討している人が注意すべき点
などについて、実務目線で解説します。
2026年税制改正大綱の内容【インボイス制度部分】
税制改正大綱には、インボイス制度(消費税法)の他にも法人税法、所得税法など各種税法の改正予定がまとめられているのですが、この記事ではインボイス制度の特に重要な部分を抜粋して解説します。
免税事業者からの仕入れに関する経過措置の見直し
免税事業者からの仕入れについて認められている仕入税額控除の経過措置は、期間が延長された一方で、次のように段階的に縮小されることになりました。
- 70%控除:2年間(2026.10~2028.9)
- 50%控除:2年間(2028.10~2030.9)
- 30%控除:1年間(2030.10~2031.9)
※記事執筆時点は80%控除です。(2023.10~2026.9)
これまでよりも刻みが細かくなり、期間も2年延びる予定となったのですが、最終的には完全に控除不可となること自体は変わりません。
2割特例について
法人:予定どおり終了(延長なし)
法人については、2割特例の延長措置はなかったので、当初の予定どおり2026.9.30で終了する見込みです。
重要なのは、「2026.9.30を含む事業年度までは、その事業年度で2割特例をフルに使える」という点で、ここに工夫の余地が出てきます。(後述します。)
個人事業主:3割特例に変更のうえ、2年延長
一方、個人事業主については、
- 特例割合を「2割」から「3割」に引き上げ
- 適用期間を2年間延長(2026.10~2028.9)
という形で、一定の配慮がなされることになりました。
2割特例終了(法人)に向けた実務上の対策
現在、2割特例を適用している会社の場合
8月決算に変更するという選択肢
2割特例の適用期間を最大限活用するためには、決算期を8月に変更するという対応が考えられます。
その理由は、前述のとおり「2026.9.30を事業年度に含んでいれば、その事業年度はフルに2割特例を使える」ためです。
2026年から8月決算に変更すれば、2026.9.1から事業年度が始まることになって、その年度まではフルに2割特例を使える可能性が出てくることになるわけですね。
例えば、「従来9月決算だった会社が8月決算に変更することで、2割特例の適用を11か月多く確保できる」というケースもあることになります。
ただし、決算期変更には以下のようなデメリットもあるので注意が必要です。
- 前年度との対比が分かりづらくなる
- 事業年度が短くなることにより、決算作業や納税の時期が早まる
単に「節税になるから」という理由だけで判断するのは危険です。
今後、会社設立を考えている人の場合
2026年9月末までに会社設立する
「2026年の後半くらいに会社設立しようかな~」と考えている人は、遅くとも2026年9月末までに会社設立するのが良いかもしれません。
そうすれば、初年度は2026.9.30を含んでいるのでフルで2割特例の適用が可能となるため、「ギリギリでも使えるなら使いたい」という人にとっては合理的な選択肢となるわけです。
ただし、消費税節税だけを目的とした設立判断になっても本末転倒なので、冷静に検討すべきでしょう。
8月決算で会社設立する
例えば、2026年に入ってすぐに会社設立を検討している人は、「8月決算」と取り決めて会社設立することで、初年度と翌年度までの2割特例を確保しやすくなります。
ただしこの場合、初年度の会計期間が極端に短くなる可能性があり、別の側面でデメリットも出てくるので要注意です。
「インボイス登録はしない」という選択肢
2割特例が使えなくなってしまうと、別途「簡易課税」という仕組みは用意されているものの、それでも消費税の負担額が重くなってしまう事業者は多いと思います。
したがって、免税事業者でいけるうちは、取引先から強い要望が無い限り「インボイス登録はしない」という選択肢も全然アリでしょう。
一度インボイス登録してしまうとなかなか免税事業者には戻りづらいので、会社設立時に「インボイス登録するか否か」を慎重に検討して判断することの重要性は、今後より一層高まるのではないでしょうか。
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