無償譲渡・低額譲渡・高額譲渡の整理(①法人⇒②個人へ)

「①法人」から「②個人」へ資産の譲渡があったときの、無償譲渡・低額譲渡・高額譲渡の論点を整理します。

無償譲渡=贈与の場合(取得価格:1,000、実際売買価格:0円、適正時価:4,000)

※「適正時価での売買」と「①法人から②個人への現金贈与」を同時に行った場合と整合する。

①法人(譲渡者)

・(4,000-1,000)に対して法人税(売買益)が課税される。【法人税法第22条第2項、法人税法第22の2条第4項】

・譲受者が法人の役員の場合は、4,000が役員給与扱いとなる。

・譲受者が法人の従業員の場合は、4,000が従業員給料扱いとなる。

・譲受者が上記以外の場合は、4,000が寄付金扱いとなる。

※譲受者が法人の役員の場合はさらに、消費税の『みなし譲渡』の規定もあり。【消費税法第4条第5項第2号】
⇒譲渡した資産が棚卸資産の場合:「通常の販売価額のおおむね50%」or「仕入価額」の高い方を課税標準額とすればOK。
⇒譲渡した資産が棚卸資産以外の資産の場合:譲渡時の時価を課税標準額とする。

②個人(譲受者)

・譲受者が法人の役員・従業員の場合は、4,000に対して給与所得が課税される。

・譲受者が上記以外の場合は、4,000に対して一時所得が課税される。

※取得価格は適正時価の4,000となる。

実際売買価格が0円~適正時価の1/2未満の場合(取得価格:1,000、実際売買価格:1,500、適正時価:4,000)

※「適正時価での売買」と「①法人から②個人への現金贈与」を同時に行った場合と整合する。

※適正時価の1/2未満の場合とは…
⇒譲渡した資産が棚卸資産の場合:「売買価格<通常の販売価額のおおむね50%」or「売買価格<仕入価額」を満たす場合
⇒譲渡した資産が棚卸資産以外の資産の場合:「売買価格<適正時価のおおむね50%」を満たす場合

①法人(譲渡者)

・(4,000-1,500)に対して法人税(売買益)が課税される。【法人税法第22の2条第4項】

・譲受者が法人の役員の場合は、(4,000-1,500)が役員給与扱いとなる。

・譲受者が法人の従業員の場合は、(4,000-1,500)が従業員給料扱いとなり、損金算入。

・譲受者が上記以外の場合は、(4,000-1,500)が寄付金扱いとなり、一部損金算入。

※譲受者が法人の役員の場合はさらに、消費税の『低額譲渡』の規定もあり。【消費税法第28条第1項】
⇒譲渡時の時価を課税標準額とする。

②個人(譲受者)

・譲受者が法人の役員・従業員の場合は、(4,000-1,500)に対して給与所得が課税される。

・譲受者が上記以外の場合は、(4,000-1,500)に対して一時所得が課税される。

※取得価格は適正時価の4,000となる。

実際売買価格が適正時価の1/2以上~適正時価の場合(取得価格:1,000、実際売買価格:2,500、適正時価:4,000)

※「適正時価での売買」と「①法人から②個人への現金贈与」を同時に行った場合と整合する。

①法人(譲渡者)

・(4,000-2,500)に対して法人税(売買益)が課税される。【法人税法第22の2条第4項】

・譲受者が法人の役員の場合は、(4,000-2,500)が役員給与扱いとなる。

・譲受者が法人の従業員の場合は、(4,000-2,500)が従業員給料扱いとなり、損金算入。

・譲受者が上記以外の場合は、(4,000-2,500)が寄付金扱いとなり、一部損金算入。

②個人(譲受者)

・譲受者が法人の役員・従業員の場合は、(4,000-2,500)に対して給与所得が課税される。

・譲受者が上記以外の場合は、(4,000-2,500)に対して一時所得が課税される。

※取得価格は適正時価の4,000となる。

実際売買価格が適正時価を超える場合(取得価格:1,000、実際売買価格:8,000、適正時価:4,000)

※「適正時価での売買」と「②個人から①法人への現金贈与」を同時に行った場合と整合する。

①法人(譲渡者)

・(8,000-4,000)の部分は、売買益ではなく受贈益という扱いになる。(法人税課税には変わりなし)

※同族会社の場合、その株主は価値増加分に対して贈与税が課税される。【相続税法第9条】

②個人(譲受者)

・課税なし

※取得価格は適正時価の4,000となる。