消費税法の「みなし」規程【自家消費・無償譲渡・低額譲渡】

消費税法の各種みなし規定を整理します。

自家消費・無償譲渡

まずは【自家消費】【無償譲渡】からです。

次に掲げる行為は、事業として対価を得て行われた資産の譲渡とみなす。

一 個人事業者が棚卸資産又は棚卸資産以外の資産で事業の用に供していたものを家事のために消費し、又は使用した場合における当該消費又は使用 【自家消費】

二 法人が資産をその役員(法人税法第二条第十五号に規定する役員をいう。)に対して贈与した場合における当該贈与 【無償譲渡】

【消費税法第4条第5項第1項、第2項】

これらの【自家消費】または【無償譲渡】が行われた場合の消費税の課税標準額は、以下のように規定されています。

・譲渡した資産が棚卸資産の場合:
⇒「通常の販売価額のおおむね50%」or「仕入価額」の高い方を課税標準額とすればOK。【消費税法基本通達10-1-18】
・譲渡した資産が棚卸資産以外の資産の場合
⇒譲渡時の時価を課税標準額とする。【消費税法第28条第3項第2号】

低額譲渡

次に【低額譲渡の規定についてです。

課税資産の譲渡等に係る消費税の課税標準は、課税資産の譲渡等の対価の額(対価として収受し、又は収受すべき一切の金銭又は金銭以外の物若しくは権利その他経済的な利益の額とし、課税資産の譲渡等につき課されるべき消費税額及び当該消費税額を課税標準として課されるべき地方消費税額に相当する額を含まないものとする。以下この項及び第三項において同じ。)とする。ただし、法人が資産を第四条第五項第二号に規定する役員に譲渡した場合において、その対価の額が当該譲渡の時における当該資産の価額に比し著しく低いときは、その価額に相当する金額をその対価の額とみなす。 ⇒【低額譲渡】

【消費税法第28条第1項】

『低額』かどうかの判断基準については、以下のように規定されています。

・譲渡した資産が棚卸資産の場合:
⇒「売買価格<通常の販売価額のおおむね50%」or「売買価格<仕入価額」を満たす場合【消費税法基本通達10-1-2】
・譲渡した資産が棚卸資産以外の資産の場合
⇒「売買価格<適正時価のおおむね50%」を満たす場合【消費税法基本通達10-1-2】

この【低額譲渡】に該当した場合の消費税の課税標準額は、以下のように規定されています。

その資産の譲渡時の時価を課税標準額とする。 【消費税法基本通達10-1-1】

個人事業主が廃業(法人成り)したとき

要注意なのが、個人事業主が廃業(法人成り)したときです。

廃業したときの事業用資産の取扱いは【自家消費】に当たる旨、国税庁は見解を示しています。

・・・個人事業者が事業を廃止した場合、事業の廃止に伴い事業用資産に該当しなくなった車両等の資産は、事業を廃止した時点で家事のために消費または使用したものとして、事業として対価を得て当該資産を譲渡したものとみなされ(みなし譲渡)、非課税取引に該当しない限り、消費税の課税対象となります。

タックスアンサーNo.6603:個人事業者が事業を廃止した場合

この点について、会計検査院(国家組織の経理・財務を監督する機関)は2019年11月8日に「平成30年度決算検査報告の概要」を公表し、そこでは『事業を廃止した個人事業者の35%程度はみなし譲渡を正しく適用していない』旨を指摘しています。

そして、正しく適用できていない原因として『国税庁の周知活動に不足があったため』としています。

・・・これらの経緯を踏まえると、国税庁は廃業時のみなし譲渡適用については相当神経質になっていると思われるため、納税者としても十分気を付ける必要があるのです。

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