旅費規程による節税とは?【法人の節税策】
世間一般に知られている法人の節税策の一つとして、「旅費規程」を活用した節税策というものがあります。
旅費規程とは何か?なぜ旅費規程を作れば節税になるのか?具体的にはどう運用していけば良いのか?
といった内容について、今回は解説していきたいと思います。
旅費規程とは?
旅費規程とは、出張に伴う旅費についての会社のルールです。
具体的には、例えば以下のように定めたりします。
①列車を利用する場合、役員の場合はグリーン車、一般社員の場合は普通車を利用できる。
②宿泊費として、役員は14,000円、一般社員は9,000円を定額で支給する。
③日当として、役員は5,000円、一般社員は2,500円を定額で支給する。
なぜ旅費規程を作れば節税になるのか?
①のようなルールを定めておくと・・
⇒ハイグレードな座席を利用した場合でも、ルールに基づいた支出ということで経費としての説得力が高まります。
②のようなルールを定めておくと・・
⇒定額なので経費精算事務が簡単になったり、定額金額と実費との差額が課税されずに役員・社員の手元に入ってくるというメリットがあります。
例えば、一般社員が実際のホテル代は5,000円だったけど規程に基づいて9,000円貰えた場合には4,000円トクすることになりますが、それは給与ではないので、所得税・住民税が課税されずに会社から貰えるという寸法です。
③のようなルールを定めておくと・・
⇒この金額は②の差額と同様に、所得税・住民税が課税されずに会社から貰えることになります。
※そもそも日当とは「出張しなければ生じなかったはずの食費や諸経費、および肉体的・精神的な負担に対する補償」と考えられています。規程を整備することで、この支払が可能になるという寸法です。
具体的にはどう運用していけばいいか?
- 「旅費規程」を作成します。
- 作成した旅費規程を株主総会(合同会社の場合は社員総会)で承認し、議事録を残します。
↓(出張に行った後に) - 実際に出張に行った証拠書類として「出張報告書」を作成します。
- 交通費・宿泊費・日当等の詳細として「出張旅費明細書」を作成します。
注意点
・この「旅費規程」は、全社員を対象とするルールになります。社長や一部の役員だけを対象とすることはできません。例えば一人社長で旅費規程を導入した場合、最初は会社=自分のようなものなのでシンプルに節税になりますが、しばらく経って社員を雇うようになると、その社員にも旅費規程に従って日当などを支払う必要が出てきます。社長だけがメリットを受ける、ということはできないので、注意が必要です。
・例えば宿泊費を会社が定額支給した場合、その代わりとして、ホテル代は役員や一般社員のサイフから支払われることになります。会社のクレカ等で決済しないようにしましょう。
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