事業所得と雑所得の区分(その4)

前回の記事では、事業所得と雑所得の判断においてはいくつかの要素が挙げられているものの、これらは決して必要条件というわけでもなく、判断の基準はとても曖昧であることを説明しました。

そんな中、一人のコンサル会社社長が逮捕されました。2013年2月15日の出来事です。

(フジサンケイビジネスアイより:http://www.business-i.co.jp/featured_newsDetail.php?2267)

副業で赤字が出たと装うよう顧客の会社員らに指南し、所得税を不正に還付させたとして、東京地検特捜部は15日、所得税法違反の疑いで、コンサルタント会社「グローバルワークス」(東京都新宿区)の代表、本多弘樹容疑者(34)を逮捕した。

サラリーマンの所得税は給与から源泉徴収されているが、副業の赤字は「損益通算」の対象となり給与所得から差し引かれ、確定申告すれば還付されるケースもある。特捜部によると、本多容疑者はこの制度を悪用。脱税の手口を指南する見返りに顧客から、1年分で数万円の報酬を受け取っていたという。

逮捕容疑は、顧客数十人と共謀、2010年7月~12年4月に副業で赤字が出たように装って確定申告させ、05~11年分の所得税計約2500万円を免れた疑い。

本多容疑者は同社のホームページやセミナーの開催で顧客を募集。ホームページでは「法律に従い、正しく還付申告の手続きをすれば、払い過ぎた税金が戻ってきます」と呼びかけていた。

「東京地検特捜部」が逮捕したというのがポイントです。
東京地検特捜部は、巨大な企業事件や大物政治家などを捜査するときに主に動く機関。金額的にはそんなに大したことのない今回の事件で東京地検特捜部が動いたということは、それはつまり、今回の逮捕で、一罰百戒的な社会的制裁をしようとする意味合いが強かったからではないでしょうか。

「こんな脱税は絶対に認めない」と、国からの強いメッセージ発信のように思われるのです。

・・・さて、4回に分けて事業所得と雑所得の区分について書いてきましたが、結局何が言いたいかというと、税金を減らすという目的のためだけに、事業所得の赤字を作り出し損益通算しようとすることは、非常にリスキーだということ。それを書きたかったのでした。