自営業は自由なのか?(その1)

税理士として、どう働いていくか。その方向性の一つとして「開業する」という選択肢があります。開業税理士、つまりは自営業です。自営業と聞くと、自由な働き方をイメージする人が多いのではないのでしょうか?

僕は自由な人生に憧れがあります。だからこそ、開業税理士に対する憧れを強く持っていました。しかし、税理士登録まであと少しで、開業税理士として働く場合、どのようにやっていくかということを具体的に検討していくと、「果たしてこれは自由と言えるのか?」の懸念が大きくなってきました。

懸念点は、以下のようなものです。

① 資金繰りが不安になる。人生がお金に縛られないか?
当たり前ですが、生きていくためにはお金が必要です。お金が多ければ多いほど人生の幸福度が上がるというわけではないですが、最低限の衣食住、そしてたまに友人等と外食できるくらいの交際費、この程度のお金が確保できなければ、人生の幸福度が下がることは間違いないでしょう。
会社員の場合は、その最低限が確保される可能性は非常に高いですが、開業の場合はその最低限が全く保障されていません。「資金繰りが不安で夜も眠れない」という事態も十分考えられることです。
そのような思考回路こそ、まさに「人生がお金に縛られている状況」であると考えます。開業すれば大きなリターンを得られる可能性も高くなりますが、僕はそれよりも資金繰りに悩むことが無い人生を望みます。
さらにお金の点については、老後資金のこともあります。会社員の場合、国民年金に加えて厚生年金は当然あり、優良企業であればさらに企業年金基金(いわゆる3階建部分)や退職一時金があったりします。だいぶ老後資金の不安からは解放されるはずです。一方で開業の場合は、国民年金しか老後保障は掛けていない人は多いでしょう。自分の老後のことは自分で注意深く保障を掛けていくしかないのです。

②仕事が無い状況が怖くなる。仕事に縛られていないか?
僕がもし開業した場合、休みの日を楽しめなくなると思います。自営業にとって「休み」は、「仕事が無い」ことを意味するからです。
売上が安定するまでの間は、そもそも「休み」が一日でも減るように努力することから始まるのです。仕事のことは考えず友人等と遊んだり、小説に夢中になったりすることは、売上が安定するまでのしばらくの間(=いつまで続くかもわからない)はできないような予感がします。自分の性格上。
休みがありつつも仕事は確定しているため、休みを安心して楽しむことができる「会社員」という身分はすごく恵まれているということを、開業を具体的に検討して初めて気づきました。

他にも思うところはありますが、長くなってきたので、次回に続きます。